FC東京・村林社長「優勝すれば知名度は上がる」
2009年2月20日
「ゲームとリアルサッカーを繋げる」をテーマにお送りする「リアルサカつくの世界」。
第5回は現役J1クラブの社長にご登場頂いた。
今回は、FC東京・村林裕社長インタビューの中編。1月に行われたFC東京の新体制発表記者会見の中で、村林社長は「味スタを満員に」という目標を達成できなかったこと、下部組織からの昇格選手がいなかったことをクラブの課題としてあげた。
【東京で知名度を得ることは簡単じゃない】
岡田●新体制発表記者会見では「味スタを満員に」という昨年の目標を達成できなかったことを課題にあげていました。昨年はシーズン終盤に向かって徐々に観客が増えていきましたが。
村林○ご来場者数は前年を引きずるんですよね。08年は07年の状況を引きずってシーズンに入ったので。今年は期待できると思います。08年の結果は手ごたえとしては十分です。それをきちんと受けついでシーズンインができるかどうかですね。
岡田●FC東京は観客動員数がJリーグ3位である一方、広く一般を対象にした人気調査ではJ1で16位という結果も出ています。この結果は少し極端だとしても一般的な知名度はまだまだ低い印象がありますが。
村林○ご来場促進については奇策があるわけではないので、我々はできることをやっていくだけです。それがどこまで知名度に繋がっていくかというと、東京の場合はそう簡単にはいかないでしょう。東京で知名度を得るということは簡単なことではありません。逆に言えば、優勝したりすれば知名度は上がると思います。
もうひとつ言ってしまえば、スタジアムは4万人で満員ですからね。10万人、100万人を集めるわけじゃなくて4万人を集めれば良いので。もちろん有名なほうがいいには決まっているんですが、あわてて何かをやっても仕方がない。今、少年サッカーをやっている子供がこれだけ増えていて、サッカーをやっている子供で「FC東京」を知らないという子はあまりいないだろうし、ということはその親も知っているわけですから。
今年は「東京ドロンパ」というマスコットができたので、それを使っていろいろやろうとは思っているんです。たとえば、マスコットは試合の日にスタジアムに来ないで、試合中に試合速報を持って街の中を回るとかね。試合の最中って我々はスタジアムの外で何もできないけれど、マスコットだったらやっても良いと思います。あとは地元のメディア回りですね。営業の人間も回っていますが、マスコットが行けばそれがニュースになりますから。そういうことは、ガンガンやって行こうと思っています。
【もっとファンが喜ぶサッカーってなんだろう】
岡田●村林社長は、昨年日経新聞のインタビューでJ1のエンターテイメント的な価値を高めるために放映権料の分配金をJ1に集めるべきだと発言していました。あの発言の真意は?
村林○サッカーがエンターテイメントとしてどうなったら楽しいのか、「もっとファンが喜ぶサッカーってなんだろう」ということを考えないといけないと思うんです。
岡田●例えば、川崎はエンターテイメント性の高い演出で人気を博しているし、浦和のように駅前に大規模なショッピングモールがありスタジアム前に広場があって、試合を含めて1日中楽しめるようなところもあります。東京の場合はどういった方向を目指すのでしょう?
村林○川崎はサッカーも含めておもしろいと思うけれど、あそこはスタジアムがネックですよね。ウチも売店のバックヤードがなくて苦労していますが。フードコートとか苦肉の策ですからね。
東京の良さはぐちゃぐちゃの良さだと思っているんです。東京のファンは、みんなで同じふりつけで応援しようというのはあまり好きではないし、組織化もされていない。ただ、ぐちゃぐちゃでいろいろな人がいるんだけれど、その中に意外と人と人との繋がりがあって、何かのときには助けてくれる仲間がいる。そういうのがいいんじゃないかなと思っています。

村林裕 1976年東京ガスに入社。1998年のFC東京創設とともに同クラブに出向。常務、専務を経て2008年2月に社長に就任する。
FC東京 http://www.fctokyo.co.jp/




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