移民選手の割合が増えるドイツ代表が抱える問題
2009年11月27日
【ドイツ代表の移民選手たち】
2002年のワールドカップに同国史上初の黒人選手としてアサモアが出場して以来、黒人を含む移民の代表選手がクローズアップされるようになったドイツ。他にも母親がイタリア人でスイス生まれのノイビルや、両親がポーランド人で9歳の時にドイツへ移住してきたクローゼが選出されるなど、この大会前後から移民の代表選手が少しずつ増加していきました。
2006年、自国開催となったワールドカップでもクローゼと同様に2歳でポーランドから移住してきたポドルスキー、ドイツ生まれながらガーナ人の父親を持つオドンコールの活躍があり、ドイツ代表の中でも移民の存在は徐々に特別なことではなくなってきたように思います。
【A代表の24人中9人、全体の約38%】
今月18日に行われたコートジボワール戦に選出されたドイツ代表の中には、ジェローム・ボアテンク(父親がガーナ人)、アンドレアス・ベック(ソ連より移住)、ゼルダル・タスチ(両親がトルコ人)、ピオトル・トロホウスキー(ポーランドより移住)、メスト・エズィル(両親がトルコ人)、マルコ・マリン(ボスニア・ヘルツェゴヴィナより移住)、マリオ・ゴメス(父親がスペイン人)の7人に加えて、前述のクローゼにポドルスキーと、24人中9人、全体の約38%がドイツの他にもルーツを持つ選手たちで構成されることになりました。
【U-21代表は、さながら世界選抜】
これが、下の年代になるとより顕著な形で現れていきます。今年の6月にスウェーデンで行われたU-21欧州選手権で、ドイツ代表は17回目の挑戦にして初優勝を飾りましたが、この大会に出場した23人中、実に12人がドイツの他にもルーツを持つ選手たち。ボアテンク、ベック、エズィル、マリン以外に、ナイジェリアとチュニジアが2人ずつ、ポーランド、イラン、アメリカ、スペインが1人ずつとルーツも非常に多国籍。さながら世界選抜のようにも思えてきます。
また、先月まで行われていたU-20ワールドカップに参加していたドイツ代表のエース、リヒャルド・スクタ・パスは両親がコンゴ人の黒人選手。ゴールも挙げたマリオ・ブランチッチはユーゴスラヴィア(現在はクロアチア)生まれ。10番を着けたルイス・ホルトビーは父親がイングランド人。この世代にも国際化の波は確実に押し寄せているようです。
【ドイツではなく、ナイジェリアの代表を選択する可能性も】
ただ、当然のように問題も。前述したU-21欧州選手権の優勝メンバーで、父親がナイジェリア人のデニス・アオゴはU-16からドイツ代表に選出され、今シーズンも所属のハンブルクではリーグ戦全試合にフル出場。中盤もサイドバックもこなす汎用性が注目されていましたが、本人の希望はナイジェリアフル代表でのプレー。また、同じくU-21ドイツ代表で、同じく父親がナイジェリア人のチネドゥ・エデも、フル代表はU-19、U-20、U-21と選出されてきたドイツ代表ではなく、ナイジェリア代表を選択する可能性が高いと言われています。
過去にもバストゥルクやハミルとハリルのアルティントップ兄弟、イルハンなどのトルコ系や、オットー・アッドやサルペイのようなガーナ系など、ドイツで生まれ育ちながら他国の代表を選択する選手はいましたが、アンダーのドイツ代表に選ばれていた選手となれば話は別です。
本腰を入れた育成年代の強化が実り、直近に行われたU-17、U-19、U-21の全カテゴリーでヨーロッパを制したドイツですが、ひょっとすると各年代の代表を経験し、フル代表の主軸として活躍することを期待されていたような選手がドイツ代表を選択しないケースが出てくるかもしれません。各年代、そしてフル代表も好調を維持するドイツ代表。今後はそういう部分に注目してみるのも面白いかもしれませんね。
なお、今週のFoot!はそんなスクタ・パスやサルペイが所属するレヴァークーゼンを良平さんが直撃。現在首位と好評の秘密に迫ります。また、チャンピオンズリーグのグループステージ第5節ハイライトもありますのでお楽しみに!
WORLD SOCCER NEWS「Foot!」
初回放送は毎週金曜23:00-24:00。


このエントリーのはてなブックマーク (-)についたコメント



