「浦和フットボール通信」インタビュー
岡田康宏(サポティスタ)
レッズを愛する人たちに送る「サッカーの街と人を応援するマガジン」として、昨年3月に創刊されたフリーマガジン「浦和フットボール通信」は毎月1日発行。現在、さいたま市を中心に519店舗で配布されている。
発行元である(株)浦和フットボール通信社は、「浦和レッズについて議論するページ」(通称「浦議」)の管理人である村田要(28)椛沢佑一(28)両氏が昨年の2月14日に立ち上げた会社だ。
会社創立1周年、創刊から1年を迎えようとしている2人に話を聞いた。
僕らはまだ浦和の街が盛り上がっているとは思っていない
岡田 要くんは「浦議」というサッカー界では有数のアクセス数を誇る人気サイトをすでに運営しているわけじゃないですか。そこから、リスクを背負って会社を立ち上げ、あえて紙媒体に進出したのはなぜですか?
村田 自分たちで街を盛り上げると考えた時に、ネットだけではなく、幅広い人が読める形を取りたかったので、あえてフリーマガジンを作りました。紙は、信用性がネットよりもあるということがひとつですね。おかげさまで、浦議では出会えなかった人たちにも、フリーマガジンをやるようになって出会えるようになりました。リスクもありますが、それ以上の遣り甲斐と可能性はあると感じています。
岡田 今、どれくらい配っているの?
村田 部数は4万5千部。フリーペーパーは、普通は何割か返本があるものなんですけど、それが今はゼロに近い状況ですね。最初は、浦和は、簡単になんでも受け入れる土地柄ではないので、こいつら本気なのかって半信半疑で見られましたけど、3月に始まって、7月8月ごろになると、こっちも本気だって言うのが伝わったのか、ある程度定着してきて。1月2月は試合がないのでスタジアム配布が出来ないんですけど、それでもほとんどなくなってしまいました。表紙にも書いてありますけど「サッカーの街と人を応援するマガジン」なので、そういう街になっていけばいいなと。
椛沢 僕らはまだ浦和の街が盛り上がっているとは思っていないんですよ。盛り上がっているように見えるけど、街はまだまだ潜在能力があるというか。埼玉スタジアムに移ってからレッズは盛り上がっているけど浦和の街とは若干距離が離れてしまった感があるので。もっと街を盛り上げて行きたい、というのがこれをやろうと思った最初の発想ですね。
村田 浦和の街の方も、もっとサッカーを上手く使えばいいんですよね。今、小浜市がアメリカ大統領選のオバマ候補を応援して話題じゃないですか。実は全然関係ないけれど、それで盛り上がっている。そのくらい貪欲にやればいいんですよ。せっかくサッカーとレッズが地元にあるのに、それを利用しない手はないだろうと。
椛沢 逆にサポーターにも、もっと街を盛り上げる意識を持ってもらいたいんです。スタジアムを出たら終わりじゃなくて街を盛り上げて欲しい。そうなるとそれがレッズに返ってくるんですよ。レッズが街を応援し、街もレッズを応援してくれるようになる。そうなると、かなり強固な関係が築ける。
村田 今はレッズが強いからいいですけど、弱くなったら大手のスポンサーはすごい勢いで離れていくかもしれない。逆に弱くなっても浦和のパワーが続けば、そうならないかもしれない。そのときに支えてくれる地元の企業、地元の人たちがいれば、より強固な力が築けるものだと思います。
椛沢 強いから盛り上がるというのではダメなんですよね。強くなくても盛り上がっているように。浦和にはそれが出来ると思うし。鹿島や磐田みたいに盛り下がっていくのはイヤだなと。
浦和にはサッカー文化の土壌があった
岡田 そういえば、93年にJリーグが開幕した頃、サポーター御三家と呼ばれた鹿島、浦和、日本代表のうち、今も勢いがあるのは浦和だけなんですよね。
椛沢 浦和にサッカー文化の土壌があったというのが大きかったなと改めて感じましたね。営業をしていて分かったのは、浦和の街にはサッカーに理解のある人が潜在的にすごく多いんですよ。クラブ、サポーター、地域の人がその土壌にあって、レッズを弱い頃から真摯に応援し続けてきた成果が今、結実し始めているのかもしれません。サッカーの街だなと感じる出来事でいえば、浦和は文教都市なんで、基本的には祭りとかで騒ぐと「うるせー」って言われる街なのにサッカーはOK。
岡田 なぜサッカーだとOKなの?
椛沢 それは100年の歴史があるからですよ。昔から身近にサッカーがあったから。県立浦和、浦和西、浦和南、浦和市立、4校が選手権で優勝していて。
岡田 赤き血のイレブンもそうですよね。
椛沢 それは浦和南ですね。実はそれ以前にも、浦和はサッカー埼玉高等師範(現・埼玉大学)が71年前には全国制覇を果たしていたりするわけです。
岡田 でも例えサッカーの土壌があっても、静岡のクラブはあまり盛り上がっていないですよね?
椛沢 取材に行って分かったんですけど、静岡の人はあまりJリーグに興味がないんです。高校サッカーの方が盛り上がるらしいんですよ。高校サッカーの時期になると新聞も売れるし、メディアも力を入れている。SBSカップがすごい人気があって、エスパルスはあまり関係がない。地元を感じるのはそっちなんでしょうね。静岡の人は「エスパルスで活躍して欲しい」というよりも「静岡の選手が日本代表にいるのが嬉しい」っていう発想なんですよね。だから、レッズにいても静岡出身の選手が活躍すれば嬉しいし応援する。
村田 小野伸二を応援している人は多かったもんね。
椛沢 だからレッズを応援している人は多いんじゃないですか。
村田 長谷部の後援会が丸ごとレッズの後援会に入ったらしいですからね。そういう発想はないですよね。じゃあ、上野(武南高校出身)の後援会がマリノスの後援会に入るかと言ったら入らないでしょ。
椛沢 そういう意識の違いがあるんじゃないですかね。
岡田 では、最後に今後の抱負を。
椛沢 浦和がある限り、「浦和フットボール通信」は出し続けたいと思います。
村田 浦議は個人サイトだし、コミュニティーとしてもう僕らの手を離れて回っている部分もあるんですよ。だけど「浦和フットボール通信」は会社として立ち上げて、もう後戻りはできない。いい加減なことはできないな、という覚悟でやっていきます。
浦和フットボール通信
2007年3月創刊。サッカーの街と人を応援する、ファンによるファンのためのFANZINE。埼玉県内のファミリーマートを中心として、さいたま市を中心とした埼玉県に現在519店舗にて配布中。「サッカーの情熱を街へ」を理念に、毎月1日4万5000部を発行。

→浦和フットボール通信 - サッカーの街と人を応援するマガジン





















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