コラム

ヨコハマは今「ハマトラ」がブーム?

サポティスタ編集部

◇ヨコハマのサポーターの新しい流行?

 「ハマトラ」と聞くと、70-80年代に青春を過ごした人ならば、横浜元町発の山の手お嬢様ファッションを思い浮かべるに違いない。カーディガンにハイソックス、片手には「キタムラ」のバッグが、「横浜トラディショナル」=ハマトラの定番。

 けれど、こちらの「ハマトラ」は、横浜のフットボール・サポーターの新しい流行だ。
 ハマトラオリジナルのTシャツにトリコロールのマフラーを巻いて、町にスタジアムに、ハマトラの活動は広がりつつある。
 ニッサンスタジアムのホームゲームで毎試合配布されるフリーペーパーでも有名な「ハマトラ」が、さらに新しい展開を続けているらしいのだ。

◇SNSで組織化されたマリサポ

 グーグルマップの横浜の地図に、たくさんのドットが並んでいる。駅前のエリアはドットが重なりあって地図が見えなくなるくらいだ。



「横浜市内の各所で、SNSで組織化された数百人のサポーターが、F.マリノスの日程ポスターを先週から貼ってまわっています。商店街や地域の施設など個別にお願いして一枚一枚貼っているのですが、継続して今後も貼ってもらうために、リスト化しているんです。2週間足らずですけど、すでに1千箇所は掲示されていますね。去年は横浜FCの心ないサポーターにだいぶポスターをはがされてしまいましたが、今年は彼らはJ2なので大人しくしているでしょう(笑)」

 ポスター貼りをサポーターが手伝うというのは、よく聞く話だが、なにかちょっと変わっている。ハマトラでポスター貼りの活動を続けているマリサポに、もう少し話を聞いてみた。

「ポスターはクラブにつくってもらってますが、配布と掲示活動はすべて自主運営でやっています。ハマトラSNSは、その拠点ですね。もちろん、活動はこれだけではないです。ホームの開催日に毎試合5千部制作して配布している『フリーペーパー・ハマトラ』や、街頭でマリサポが毎週配布している宣伝チラシ『ウイマリ』、横浜市内の公共掲示板での告知活動もサポを動員して行っています。」

◇サポーターの自主運営・自主財源・自主統治

 ハマトラの活動がすばらしいのは、クラブとは独立して自主的に1千名以上のサポーターを、能動的に活動する主体として組織化しているところだ。SNSを拠点としているところはweb2.0風だ。では、そのハマトラの裏側はどんなふうになっているのだろう。

 ハマトラの中の人に聞いてみた。

「ハマトラ誌の発行資金やSNSの運用費用は、すべてハマトラ・ブランドのグッズ制作の売上でまかなわれています。チラシやポスターはクラブと協力して作成しています。編集やデザインも、もちろんサポーター。サポーターの中にはプロのデザイナーさんや編集の人もいるので助かっています。」



 ハマトラSNSのユーザーは1,700名。これならば地域SNSの会員数としても大きなほうだろう。浦和レッズのSNSも盛況ということだが、地域活動の拠点となっているところは一味違ってる。

「サポーターの自主運営、自主財源、自主統治でやるのがハマトラの原則。クラブとは付かず離れずの関係を保ちたい。例え親会社がつぶれてもF.マリノスは残る・・・それはサポーターが地域にとってどういう存在になっているかにかかっているのではないでしょうか。まあニッサンがつぶれるということは今のところ考えにくいのですが(笑)
 だけど、横浜という土地に根ざしたF.マリノスをつくりたい。それにはクラブにたよっているだけてもダメだし、『オレはカネ払っているんだ』というだけのサポーターじゃダメだとも思います。何も歌って跳ぶのばかりがサポーターではない、ということを横浜という都市のクラブチームの中で証明したいという思いもあります。
 インターネットでクラブチームのコミュニティをつくって楽しくやっているだけではなく、それをリアルで横浜のいたるところに波及させたいんです。」

◇ハマトラとサポーターの未来

 ハマトラ・ブランドの新しいTシャツも見せてもらった。去年一年間で千枚以上売って、その粗利益はすべてハマトラ運営にまわしているという。あのトリコロールのパラソルのためのフォルダーまで制作しているというし、これはなかなか本格的だ。

「だいたいアパレル商品やステイショナリーなどのグッズをつくって売ったら、その利益でハマトラのフリーペーパーを何ヶ月か印刷することができます。そのお金がなくなったら、またハマトラグッズをつくる。自転車操業ですね(笑)。それでもかなりの費用は集められるようになりました。」

 それでもハマトラは先に進んでいる。ハマトラのスタッフによれば、すでに法人格の取得に向けて動いているということ。この収益源をサポーターからクラブ・カルチャーの発展に使っていく。

「将来的には、ハマトラもボンボネーラやラボーナくらいに大きくして(笑)、けれどこちらは、その利益をすべて使って、まだアウェイにいったことがない子供向けに無料のアウェイバスを運行したり、地元の小中学生にチケットを無料であげたりしたり、サポーターとサッカー文化に貢献できるようになれたら最高です。まあ、今はポスター貼りやチラシ配布のほうが重要なんですけれども。」

F.マリノスの社長に就任した斉藤社長は、名門という驕りを捨て、地域に愛されるマリノスをつくりあげると語っていた。webを使ってサポーターを組織化し、そして地域に密着していくハマトラの活動は、この流れと合流すると、もしかしたら本当にJリーグのサポーターの新しい流行になるかもしれない。



□フリーペーパー「ハマトラ」
http://hamatra.com/

□ハマトラSNS
http://hamatra.net/

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