「僕らは最初にファンありきなんです」 ASLJ社長・浜田満氏インタビュー(上)
岡田康宏(サポティスタ)
「僕らは最初にファンありき。ファンがいて、ファンの声を集めて、ファンがこれだけ求めているんだよ、ということで権利をもらった。そこから入っているんです」
FCバルセロナ・ソシオ会員の日本での窓口となっているのは「BlauGrana」というファンサイトだ。一介のファンサイトが、世界で初めてスペイン以外の国でバルセロナのソシオ会員を募集し、その正規の窓口となった。2004年6月に募集を開始した当初、受付先はまだ法人ではなく、個人情報の送り先は個人のアパートだった。この企画の発案者で、現在株式会社アメージングスポーツラブジャパン (ASLJ)の社長を務めている浜田満氏(32)に当時の話を聞いた。

ACミランと打ち合わせ中の浜田社長(右手前)
今の自分だったら、あそこまで思い切ったことはできない
「当時はまだサッカー業界に入って1年経ってなかったからですね。会社の作り方も分かってなかったし、今の自分だったら、あそこまで思い切ったことはできないですね。免許やパスポートのコピー、カード番号といった個人情報を全て預かるわけですから。取り扱いには神経を使いますし、あれだけの人がよく信じて申し込んでくれたと思います」
JSV(ジャパンスポーツビジョン)で、バルセロナの担当を任されていた彼は、会社が民事再生法の適用を受けることとなり、そのまま買収先に移るか独立するかの選択を迫られた際、独立の道を選んだ。
「その頃からバルセロナには熱いファンが多く、日本でソシオを集めたら成り立つのではないか、という感触がありました。そこで当時、一番影響力の大きかったファンサイトである『BlauGrana』に声をかけ、ソシオになりたいかどうかとか、バルサに対して何を望むか、ユーザーにアンケートを採ったんです。1500人分くらいのアンケートを採って、そのうち90%近くがソシオになりたいという回答だったんですよ。そのアンケートをまとめて事業計画書を作ってバルサに出したら、それを見たバルサ側が『やろうよ!』という話になったんです」
浜田氏はすぐにバルセロナに飛ぶ。バルサ側からは10日後には始めたいと言われたが、それはさすがに厳しいと交渉して20日間の準備期間をもらい、「BlauGrana」でソシオ会員の募集を開始した。
「その20日間は大変でした。会社員としての仕事も残っていたし、ソシオ会員の規約や個人情報の扱いなどを全部翻訳して会員募集のシステムを作って。2004年の6月21日、夜中の0時に募集を開始したら、2時間で申し込みが200人を超えたんですよ。その日の朝までで350人。結局、2週間で500人を超えました。これにはバルサの側もびっくりしたらしくて。最初は2週間募集してみて全然入る人がいなかったら、この企画は単発で終了という話だったんですけど、それ以降は日本でのソシオの活動を継続でやっていこうということになったんです。バルサの側としては、どんなに多くても200名が最大だろうと思っていたらしいんですよね」
ファンとチームとをいかに上手く交流させてあげられるか
バルセロナのような世界的なビッグクラブが、ファンサイトにソシオの代理店の権利を与えているということを意外に思う人は多いだろう。
「他の欧州のクラブに関しても言えることですけど、彼らは最初の信頼を得るまでは大変だけど、そこでこちらがキチっとしたものを出せば、あとは比較的自由に任せてもらえる。バルサからはソシオの会員をしっかりと集めてくれれば、それ以外のビジネスは、きみの方のビジネスだから何も言わない、やりたいことがあれば、関係部署とか全部紹介するからやりたいようにやっていいと言われています。そこで、日本のファンの声を拾って、それをチームに伝えて実現する、というやり方でグッズ販売や観戦ツアーを始めました。日本のファンにとっては、ソシオ会員になれるようになったし、オフィシャルの観戦ツアーもできたし、バルサTVも見られるようになった。バルサの側にしても、日本のファンが何を考え、何を求めているかが分かるので双方にとってメリットがある。僕は、ファンとチームとをいかに上手く交流させてあげられるかというのを常に考えているし、バルサはわりとそういうのにフレキシブルに対応してくれるんです。今度、僕がオープンしようとしているカフェでも、ソシオ会員は割り引いたりできないかと聞いてきたり、なにかしらファンのためになることはできないかと考えている」
バルセロナをきっかけに欧州クラブの信頼を得た浜田社長は、今度、イタリア・ACミランのオフィシャルサイトを開設する。
「そこではオフィシャルサイトでBBSをやるんですよ。オフィシャルサイトとしてはかなり冒険だと思うんですけど、コミュニティ化していこうと。僕らはファンベースで、ファンサイトからスタートしてオフィシャル化していくというやり方をしてきたんですけど、今回はいきなりオフィシャルからスタートなので、新しい試みですね。どこまでできるのか分からないんですけど、これはオフィシャルでやることに意味があると思っていて、普通、オフィシャルって自分たちに都合の悪いことは載せないじゃないですか。そこを変えていきたい。どこまでできるかは、まだ分からないですけど、ミランでこれがOKになれば『あのミランがやってるんですよ』と、他のクラブにも持って行けるので、ぜひ成功させたいですね」
ACミランオフィシャルサイト(日本語版)
http://www.acmilan.com/index.aspx

BlauGrana
http://www.blau-grana.com/

欧州サッカーショップFootball Lab
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/mundo-alegre/
(下)に続く。





















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