「KING OF TOKYO O FILME」公開記念 アマラオ氏インタビュー
サポティスタ編集部
東京で最も愛されたブラジル人サッカー選手"キング・オブ・トーキョー"アマラオの実像に迫るヒューマンドキュメンタリー映画「KING OF TOKYO O FILME」が、10/11(土)より、渋谷シネパレスほか、レイトショーとして順次公開される。映画の公開に合わせて、アマラオ氏のオフシャルインタビューを紹介しよう。

映画を見た感想は?
総合的にとても素晴らしい映画だと思います。ただ、もう少し踏み込んだ内容にして欲しかったですね。映画を観ていて自分の中では、「この流れならこれもあっても良かったのに・・・」と思う部分もありました。でもそれは僕自身じゃないと分からないことだから仕方ないけど(笑)映画として、本当に素晴らしいものになっていると思います。
世界的にみても、サッカー選手個人の映画が作られるというのは非常に珍しい事ですが、自身の映画が作られた事についてどう思いますか?
とても驚いています。もちろん当たり前の事とは思っていません。この映画が作られた背景としては日本とブラジルの交流100周年というのが大きなものとしてあります。それと自分がやってきたこと、引退などがうまくリンクしたということでしょう。日本からの大きなプレゼントだと思っています。
現役を引退してからもファンに愛され続けている事についてどの様に感じていますか? またそれはなぜだとおもいますか?
・・・何でしょう(笑)?・・・僕が思うにですが、東京ガス時代の僕は何でもないただの選手でサポーター達もただの(といったら失礼だけど)10人位の仲間達でサポーターと呼べるものではなかった。その中で自分が成長した事を気付かせてくれたのは彼らだった、だからこの絆が続いているんだと思うんです。自分だけが成長したと勝手に思っていると絆は生まれないですが、周りを見た瞬間に自分も成長したと感じられることが絆を生む為に必要な要素だと思います。もう一つは東京ガスというチームに長い間いたという事でしょうね。
自分とサポーターの関係が非常に良いのは、お互いをリスペクトしているからでしょう。彼らを敬う気持ちだけは絶対に忘れなかった。そういう気持ちを自分が持つことによって相手も自分をそういう風に見てくれる。JFLにいた時代はよく試合の後、とても近い距離で話し合いを持ちました。これがファン達が今でも僕を思い続けてくれている一つの要素だと思います。
FC東京時代に横浜マリノスに移籍するチャンスがあったのですが、それを断ったのもサポーターの為というのが本当の理由です。サポーターは人間ですので、感じてくれることはやはりシンプルなことだと思います。裏があったり、見返りを求めるのではなく、純粋にサポーターに感謝をしていますし、純粋にサポーターが好き。そういう僕の気持ちを感じて評価してくれて、それがお互いの関係を持続させているのではないかなと思います。
これはリスペクトの交換・・・とでも言うのか、互いを思いあう気持ちによって生まれる一つの形だと思います。
試合に勝っても負けても待っていてくれるサポーターがいるんです。それはとても忍耐力が要ることです。そんな彼らに自分ができることは、そこに行って話すこと。それがお互いを思いやるということだと思います。
何人かの人はもしかしたら「サポーターと距離が近付き過ぎだ」と思ったかもしれないけど、僕にとってはそれがシンプルな対応、最低限の思いやりだと思っています。
引退試合の感想は?
引退試合については長い話になってしまいますね。FC東京を出る時か湘南ベルマーレを出る時かはハッキリ覚えていないのですが、植田朝日さん(ウルトラス・ニッポン)が「必ずいつか引退試合をするから」という話はしていました。
辞めてから1年半も経ってから引退試合をする人はいないと思うので、すっかり忘れていたところでした。「時間も経ってしまったからもうやらなくて良いよ」と言ったのですが、朝日さんが「絶対やるんだ」と言ってくれて・・・。
引退試合をやると決まってからは朝日さんを始めとするサポーター達が一生懸命準備を進めてくれて、味の素スタジアムも会場を提供してくれました。僕一人を送り出すために色々と動いてくれたので、それを見ていると非常に嬉しくなったのと同時に少し不安になりました。色んな人達が労力やお金をかけてくれたけれども、そこに対する還元ができるのか、本当にこれで良いのかと悩んだ時期もありました。申し訳ない気分になってしまって。
それを朝日さんに話したら「良いんだ。やるぞ!やるぞ!」と言ってくれた。お金ではなく、本当にやりたいという気持ちだけで動いてくれているんだというのを改めて感じました。これは僕に対するプレゼントなんだと自分で思ったほどです。
本当に素晴らしい引退試合でした。映画を見たら分かると思うのですが、泣きじゃくってしまって何を言ったのか覚えていません(笑)
サポーターの皆さん、事務所やスポンサーには本当に感謝しています。特に強い信念を持ってリーダーシップを取ってくれた朝日さんには言葉では言い表せないくらい感謝しています。それから試合に出てくれた選手達にも。ほとんどが日本代表の選手でしかも僕が対戦した人たち。それがより一層試合を盛り上げてくれる要素になりました。色んな選手が出場してくれたおかげで、その選手を見に来るお客さんもいたと思うんです。それが相乗効果になってあれだけの暖かい引退試合になったと思っています。
僕にとってはもちろん素晴らしい引退試合だったのですが、東京ガス時代の選手たちは一度もJ1に上がってからのホームである味の素スタジアムではプレーしたことがないと思うんです。JFL時代にJリーグに上がろうと一緒に戦った仲間達が、みんなで味の素スタジアムの芝生を踏めたという非常に貴重な機会になったと思います。それが非常に嬉しいですし、引退試合をやった意味があったなと思います。
更に嬉しかったのは、引退試合でゴールボーイやエスコートキッズを務めたのは僕が教室で教えている子供達だったのですが、あれだけの選手を目の前に子供達が喜んでいる姿を見ることが出来た事です。ゴールを決めて子供達と抱き合って喜んだりして(笑)「本当に引退試合をやって良かった!」と思えた一瞬でした。
あの引退試合は僕にとってサポーターがくれた最高のプレゼントです。
子供達にサッカーを教える事にはどんな意義・やりがいを感じていますか?
意義というか、なぜ子供達にサッカーを教えるかになってしまいますが、まずは第1に子供が好きだからです。もう一つの理由はサッカーの仕事がしていたいからです。
今はサッカースクールをやっていますが、それ以前は子供にどう接したら良いか、どうやって教えたら良いかということも分かりませんでした。選手としての経験はありますが、子供に教えた経験はまるで無かったんです。今は練習メニューもすぐに考えられますが、以前は前日からものすごく考えを練らないとできない位の知識でした。
サッカー教室を通して、学ぶ事に自分がトライしないと何事も得られないという事が分かりました。見ている人は「教える方は何も学ばないじゃないか」と思うでしょうが、沢山のことを学びます。教えるという事は学ぶということですから。
監督になりたいという夢があるのであれば、子供に対しても何か教えることができなければいけないと思うんです。子供に何か教えることが出来れば大人にもしっかりと伝えることが出来ますし、大人と子供どちらが簡単に教えることができるかと考えると・・・多分大人と仕事をする方が簡単ですね。子供に教えるには何度も何度も同じ事を言わなければならないので、とても忍耐力が要りますが、大人に対しては2言えば10理解してくれるので。
お蔭様でいろんなことを勉強しています。将来的に良い監督になる為の準備期間として良いものを作り上げていきたいです。
これから映画を見る人たちへのメッセージをお願いします。
この映画は一人の子供が夢を実現させて行く為に、強い信念と自分を信じる気持ちを持ち続けてその夢を叶えるというストーリーを、作り手がとても優しく作ってくれている。内容も全体の構成という面でもね。それから、サポーターへの感謝や僕の思いを改めて伝えられるようなものです。
難しいドキュメンタリー映画ではないと思います。シンプルに物事の成り立ちを伝えてくれている。誰にでも置き換えられる、非常に共感できる場面が沢山あると思いますので、楽しんで観て頂けると思います。(08/08/28)
「KING OF TOKYO O FILME」

Jリーグ開幕元年の1992年―1人のブラジル人サッカー選手が日本へ来日した。 ワグネル・ペレイラ・カルドーゾ、通称アマラオ。 しかし、彼の戦う舞台はJリーグでなくJFLと呼ばれるアマチュアリーグであった。鳴り物入りで入団したわけでもなく、卓越した技術を持っていたわけでもない彼は、黎明期にある日本サッカー界へひとり飛び込んだ。新たなキャリアを地球の反対側でスタートさせたアマラオは、持ち前の情熱とブラジル人ならではの技術によって、チームをJ2、J1へと導いていく。 チームとともに、そしてサポーターとともに成長を遂げたアマラオを、いつしか人々はこう呼び始めた ――キング・オブ・トーキョー。
ブラジル人でありながらキング・オブ・トーキョーの称号を与えられ、サポーターに愛され続けたアマラオ。異国の地で輝き続ける彼の原動力、幼き頃の夢、これからの人生・・・。サンパウロ〜東京〜平塚〜高崎と、彼のルーツを訪れ、彼を知り尽くした人物たちへのインタビューと自身の語りで綴るドキュメンタリーがここに生まれた。
出演:アマラオ、、ケリー、川淵三郎、村林裕、原博実、ラモス瑠偉(友情出演)
スタッフ:監督・編集 太田綾花 原作:植田朝日 プロデューサー 木村尚司
2008年/カラー/104分/日本語・ポルトガル/日本語字幕・ポルトガル語字幕/ステレオ
配給:スリー・ジー・コミュニケーションズ/宣伝:ビー・ビー・ビー/協力:日本サッカー協会、東京フットボールクラブ、湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、アルテ高崎 /後援:ブラジル大使館/外務省認定 日伯交流年認定事業/製作:ティー・オーエンタテインメント
(c)T.O Entertainment,Inc. 2008
■公開
10/11(土)より、渋谷シネパレス
10/18(土)より、吉祥寺バウスシアター
10/25(土)より、TOHOシネマズ府中ほかにてレイトショー
■舞台挨拶
10/11(土)渋谷シネパレス 20:40〜
10/18(土)吉祥寺バウスシアター 20:45〜
※いずれも本編上映前
登壇者:アマラオ、太田綾花監督
■URL
http://www.kingoftokyo.com/





















2日間 1週間